介護・どうすればおいしく食べてもらえるか
「日本人って、おかずとご飯は一緒に食べちゃいけないんですか?」と新人のケアワーカーに聞かれた
カウンター越しに洗い物をする私に真顔で聞いてくるのでこちらも真剣にその質問の意図を考える
要介護度4で認知症、最近は手足の筋肉も削ぎ落ち、箸は持てても食べ物は掴めずテーブル上で箸だけが空を切る
味覚感覚がどれだけ残っているかよく分からないが、いつも普通量を全量摂取される食欲旺盛なこの高齢者
中国での食の風習が分からないので続けて聞く
「一緒に食べさせてあげて嫌な顔をされたの?」
「いやそうじゃなくて・・・、ほかのひとは、ご飯、おかず、おみそしると順番に食べさせています
ご飯だけじゃ味しないです おかずだけじゃ塩辛いです」と応える
『面白い!』 白米好きの私に向かって「ご飯だけじゃ味しないです」とはよく言ったモノだ (笑
「ん、でも日本のお米は噛めば噛むほど美味しいんですよ 戦争を生き抜いてきたこの人たちは”お米”の美味しさに憧れてます
ゆっくりで良いんでかみしめて美味しく食べてもらってくださいナ」って私
分かりましたと頭を下げる素直なひよっこ介護士
スプーンにご飯もおかずも一緒に盛って口に運ぶ効率の是非を考えた上での質問で無いことに安堵
ついでに、
「あっ、その方には食事の時は眼鏡をかけてあげてくださいナ 何を食べてるか見えた方が美味しいよネ きっと・・・」