早登 輝子
今日も利用者倉畑さんがいる
楽しくレクレーションができそうだ
昔はキャバレーで働いていたというから口は悪い
のっけから「あんたバカじゃないの!」と今日初めての利用者(男性)志街さんにかます
「ではここでご紹介します、『志街さんでーす!!』 よろしくお願いします。 では一言!」と振る
「志街と申します、テヘヘ・・・ こんな大勢の前で話すことがないので嬉しいです、てへへ」と前向き
「あんた何か芸できんの?」と突っ込みも容赦ない倉畑さん
じゃあここで歌でも歌いましょう なにかリクエストありませんか?と誘い水
大方のご利用者が「わかんねーヨ」「なんでもいいーよ!」、おまけに「すきな歌やったらいいじゃん」と
地味に協力的
そんな中に「軍歌!『行ってくるぞと勇ましく・・・』」と大湖さん
わかりました、行ってくるぞと勇ましく、その後はなんでしょう?
しっかり返ってくる、他の利用者さんからも。
「ちかあったからにゃ・・・」「手柄立てずにいりゃりょうか」
なんとなくワンフレーズは歌えそうなのでホワイトボードに漢字交じりで書いてみる
「勝ってくるぞと勇ましく、誓ったからにゃ・・・に、手柄立てずにいりゃりょうか」おや?
「誓ったからにゃ死にゃりょうか」となんとなく完成
で、皆で歌い出す。2回、3回と同じ歌詞で。そのうちいつも賑やかな早登さんが涙ぐんでいる。
早登さんは耳が遠い 最近は耳元で大きな声を出してもだめなので、話す口元が見えるように
正面から顔を近づけて手振りを加えて会話しているのだが、そんな早登さんが涙を見せた
「どうしました?」と顔を横に傾けて尋ねる 「いや思い出したの、主人を・・・」と
肩をたたいてあげて、もう2回大きな声で大合唱
『まぶたに浮かぶ 旗の波』